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意識して学習する

娘が50点のテストを持ち帰りました。100点満点の50点です。全国の小学校でよく使われている、いわゆる業者テストで、分数のかけ算と割り算の単元です。内容は基本的な計算問題と簡単な文章題です。正答率50%という事実に、私の頭からは湯気が出そうでした。娘がいつものように、帰宅後すぐに遊びに出かけなかったら、落胆と怒りのあまり、しかりつけていたかも知れません。どんぐり倶楽部の算数文章題の6年生向けの問題の大半を、きちんと絵図を描いて解き終わっているのに。割り算のかけ算・割り算が図解説明できるほどだったはずなのに、どういうこと?全ては水の泡になったの?悪いことに、その頃私は、「博士が愛した数式」を読んでいました。80分すると記憶が消えてしまう数学者の物語です。6年生向け文章題の絵図を描いていたのに、今や基本計算の正答率も2分の1になった娘と、記憶障害の博士の姿が重なりました。

小学校入学以来最低点であったにも拘わらず、元気よく娘が外へ飛び出して行ったあと、気を取り直して、間違った箇所を点検しました。文章題の立式に誤りはありません。ということは、かけ算・割り算の意味は理解しているということです。誤りは非常に単純な計算ミスです。計算結果の分数の分子か分母が二桁の数字になることはあっても、もとの分数は分子・分母共に一桁の数字ですから、一桁の数字同士のかけ算つまり九九を間違っているのです。どう習ったか分からないのですが、計算過程で約分するとき、約分して小さくなる数を斜め線で消すということをせず、約分し計算するという過程を暗算でやっています。「これでは、間違うわけだ・・・」と納得しました。

娘はテストを渡すとき、「見直す時間がなかったから50点とっちゃった」と言いました。上記のように計算過程を書かず、暗算でやっているわけですから、時間がかかるのも当たり前です。でも、「見直す時間がなかったから」という言い方が気になりました。「見直しの時に直せばいいから、とりあえずやっとけ」という気持ちがあるのではと。そこで、娘には「あとで直せばいいからじゃなくて、最初から丁寧にやってごらん、こんな風に、これとこれは両方とも2で割って約分できるから・・・」と、約分して小さくなった数字を斜め線で消す書き方も教えました。

「丁寧にやる」というのは「意識してやる」ということです。そして、これは計算でも、漢字でもです。

意識的に生活する
意識的に計算する
意識的に読む
意識的に~
確かなイメージを作り上げてそれを見ながら~
(どんぐり倶楽部「思考の臨界期」p.320)


小学校の計算・漢字学習の方法は、順序が逆になっていることが多いと思うのです。計算は、新しい計算が出てきたときには丁寧に教えてくれるのですが、そのあと、習得のために多量の計算の宿題が出ます。多量だと、一つ一つ計算の方法の意味(例えば、分数のかけ算で分子同士、分母同士をかけるのはなぜか)を考え、納得しながらやるなんて嫌になってしまいます。だから、意味を考えることを「封印して」、手順だけ覚えることになります。大人は育つ過程で、沢山計算をする経験をしているので、いちいち計算方法の意味など考えずに計算します。そして、それを基準にするので、計算方法の意味など考えなくても「無意識に」計算できるところに早く子どもを連れて行こうとします。計算方法の意味など、あとから疑問に感じた子が勝手に考えればいいと言わんばかりに。

漢字もそうです。大人が漢字を書くときは、必要に迫られて何度も書いてきたからこそ、「手が覚えていて」書けるのです。大人が到達している手が覚える段階まで、その漢字が初めて出てきたときに、一気に子どもを連れて行こうとすると、同じ漢字を数十回書くという貧相な宿題になってしまいます。意識して書く段階が飛んでしまうのです。

そうではなくて、意識して何回もしているうちに、無意識でできる、無意識でやってもいい段階になるというのが本来あるべき順番だと思うのです。そして、習った時点でそこまで到達しなくても、子どもの人生は習った時点で終わりではないので、「意識してやる→無意識にできる」が、やがて起こると思うのです。意識するためには、一度に多量は出来ません。私は小学校教育のプロではないので、書くのも僭越ですが、一つ一つ、意識してゆっくりやらざるを得ない仕掛けを工夫する方が、一見遠回りに見えて、確実に思えます。

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ハーモニー108

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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