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漢字学習

最小限で最大限の効果が出るように「いかにさせないか」が力量なんです。(どんぐり倶楽部 BBS過去ログ2005.7.5)

小学校の国語では、かなりの時間と労力が漢字に注がれます。先生は日々、どうすれば子どもが漢字を覚えるだろうかと頭を悩ませておられるだろうし、我が子達を見る限り、子どもの方は、どうすれば漢字の宿題をさっさと片付けられるだろうかと頭を悩ませています。

ミントとパセリの公立小学校では、先生によって、漢字の宿題はかなり違っていました。漢字のドリルは2つあるのですが、片方をメインにして、もう片方は短文の部分だけを使用する先生。両方ともきっちりやる先生。子どもが作った短文の内容に関して、こまめに気のきいたコメントを入れてくださる先生。ドリル以外に漢字ノートというのを作らせ、時々「漢字ノート、××ページを埋めてくる、どんな漢字でもよろしい」という宿題を出す先生。この宿題では、ミントの友達は、全て「一(いち)」と書いて、別の漢字に書き直すように言われていました。

ふたりともそうなのですが、特にミントは漢字の宿題は大嫌いで、漢字を使う国に生まれてきたことを嘆いていました。でも、現実は受け入れなければなりませんし、ひらがな・カタカナ・漢字を併用することも日本文化の一部、継承されるべきでしょう。それに、漢字が無いと不便です。新聞が全てひらがなとカタカナで表記されると読みにくいに違いありません。もしそうなれば、英語のように、単語と単語の間をあけなければ、読めたものではありません。

どんぐり倶楽部ではイメージフィックス法という、漢字をよく見て形(イメージ)を取り込むという覚え方を提案しています。残念ながら、私のどんぐり倶楽部の手法・理論の理解が遅く、この方法は、ミントは全くやっていないし、パセリもほとんどやってきませんでした。そのせいかどうか分かりませんが、ふたりとも漢字の「読み」はともかく、「書き」はいまひとつです。でも、今では何故、イメージ・フィックス法という手法を提案しているのかが分かります。文字も英単語もイメージで覚えているからです。人間の頭はそうなっているのだと思います。少なくとも、私の頭はそうなっています。だからこそ、イメージが似ている「鳥(とり)」と「烏(からす)」を見間違えます。英単語でも、appleと見た瞬間に「アップル」だと分かります。「エイ、ピー、ピー、エル、イー」とつづりを読んでから「アップル」だと分かるわけではありません。

漢字学習にイメージフィックス法を使うことの是非については、かなり異論があるのではないかと推察しています。漢字には部首があり、それがある程度、字の意味を表すのだから、漢字の成り立ちを意識させた方が意味と関連づけて記憶ができ、かつ漢字という日本文化の一部も味わえると。私もそう思います。でも、「漢字を覚える」という点に絞ると、成り立ちと関連づけるという方法は「万能ではない」のが欠点です。

例として「郵」という字を考えてみます。部首は右半分の「おおざと」です。辞典で調べると、「おおざと」の意味は「領地とひれ伏している人の形で、村のこと」だそうです。ですから、「おおざと」が付く字は、村に関係があるということになります。でも、なぜ、村が「郵」と関係あるのでしょうか。更に調べると、左側は、「花や穂が垂れ下がった形で、人がいない国境のこと」とあります。そこから、「遠い国境にある、運ばれる手紙の中継所」という意味が出てくるのだそうです。

数多くある漢字を、いちいちこのようにして覚えることは出来ません。だからといって、「手が覚えるまで」何十回も書くというのも負担が大きすぎます。だとすれば、頭の中に格納する形でインプットするというのが、どの子どもにとっても万能かつ負担が小さいという結論になります。部首を意識して、漢字の成り立ちを楽しむのはいいことだと思います。よく使われる部首、例えば「さんずい」が水に関係があるとか、「てへん」が手に関係あるといったことくらいは知っていた方がいいと思います。でも、それは「てへん」や「さんずい」が付く字の全体、あるいは全ての漢字を思い出す手がかりにはなりません。

学校や塾の授業で、時々「この漢字の成り立ちはこうなんだよ、面白いね」と触れるのはいいと思います。漢字の成り立ちという「面白い世界」が存在することを知らせるという意味で。そうすれば、「面白い!」と思って興味の範囲を広げる子もいて、なかには漢字辞典が愛読書になる子も出るかも知れません。でも、全ての子どもが、漢字の記憶に役立つほど、成り立ちに興味を示すとは思えません。漢字の成り立ちに強い興味を持っていても、「花や穂が垂れ下がった形」だという情報から「郵」の左側を思い出せる子どもは少ないと思います。

どんぐり倶楽部の教材の特徴のひとつは、必要最低限に抑えてあることです。子どもによって有効だったりなかったりする方法、ある漢字には通用するけれども別の漢字には通用しない方法は提供しないということです。この方針にのっとると、一つの漢字を連続30回書くというような苦行から、漢字に対する興味の度合いに関係なく、どんな子どもも守れる手法はイメージで覚えるという方法になるという結論に至ったのだろうと思います。思い出せるとは、その漢字のイメージが思い出せるということだからです。「郵」は「国境にある中継所」を意味するから、右側が「村を表すおおざと」で、左側が「国境を表す花や穂が垂れ下がった形」なのだ、だからこういう形だという手順を踏んで思い出すわけではありません。結局はイメージとして頭に保存されるけれども、イメージを思い出すのに、記憶があやふやなうちは字の成り立ちが有効な場合もあるというまでです。

成り立ちを学ぶことが悪いのではなく、覚えるための万能手段とみなすことが誤りだということです。義務教育で覚えなければならない漢字は決まっています。学校によって違うわけではありません。覚えることは漢字学習の最低限の目標で、成り立ちを楽しむのはオプションなので、学校によって、先生によって、違う字を取り上げていいと思います。また、漢字を覚えることに注ぐ時間と労力を減らせば、成り立ちに触れたりして、漢字を楽しむ余裕も増えるはずです。

イメージフィックス法は、字の形を覚えることに特化しています。でも、漢字は、ひらがな・カタカナのような表音文字ではなく、表意文字なので、意味・使われ方も分からなければなりません。そのために、どんぐり倶楽部には、ひとつの短い物語に学年配当漢字が全て入った、学年別の漢字読本もありますが、こちらは我が家でも少し利用しました。「少し」というのは、ほとんど読んだだけ、ということです。

最近、パセリは漢字読本を使って、小学校の漢字総点検をしています。パセリの様子を見て分かったことがあります。漢字読本での漢字学習は、面白くてやめられないということです。低・中学年向け漢字読本を読んだのは何年も前なので、ストーリーをはっきり覚えておらず、新鮮で面白いのです。一般的な教材では、漢字を使った短文ですが、漢字読本はストーリーを追う楽しみがあります。「面白い」とはストーリーを楽しんでいること、つまり読解もしているということです。私はケラケラ笑いながら出来る漢字学習方法を他に知りません。

漢字読本のひとつ「河童の国のホスピタル」の一部はこんな具合です。

(河童の種族対抗)試合は往路と復路に分かれていて二日かけて行われます。スタート前には全ての選手が起立して、歯医者から歯の点検を受けます。歯に異常があると参加できません。このスタート点検に合格すると小さなコップにお酒を受け取って一口飲んでからスタートラインに並ぶのが習慣となっています。

一般的な教材の短文なら、こんな感じでしょうか。

・学校まで往復する。
・7時に起床する。
・歯医者に行く。

さらに、どんぐり文章題にも、漢字学習への配慮がされています。2M34の記事(1月6日)でも書きましたが、問題文には、学年に関係なく、かなり難しい漢字・語句が使われ、子どもは自然に、それに接するようにできています。文章題はノーヒントが鉄則ですが、知らない漢字・語句を教えることは、ヒントには入りません。できるだけ少ない勉強量で、(学習指導要領に関係なく実生活で)必要なことを多く学べるような「しかけ」があるわけです。「小さい負担で大きい効果」が教える側の腕の見せ所という教育観が出ています。

私自身も、文章題のこの「しかけ」に気付いてからは、教科書には、低学年からふりがな付きで、未習の漢字も入れ、読み書きを意図的に習得させるのは学年配当の漢字のみというスタイルでいけばいいのではないかと思うようになりました。テスト勉強をしなくても、目に触れたことがある漢字なら、習得しようとするときに、初めて見るよりは覚えやすいに違いないからです。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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