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受験、あるいは「努力に成功すること」

ガンバルドンは常に「努力に成功した人」だった。そこに価値があるのである。人間としての価値はココで決まるのだ。(どんぐり倶楽部 漢字読本「タイムトリップ」)

最近、親戚や直接的・間接的知人が大学受験をするのを見聞きして、自分が受験した20年以上前とは様変わりしたなとつくづく思います。20年前でも推薦入試は存在しましたが、あまり一般的ではなく、ほとんどの受験生が狙う大学の1年に1回だけのペーパーテスト一発勝負にかけていたと思います。現在のセンター試験にあたる共通1次試験も既にありましたが、同じ大学を受験する人の共通1次試験の点数はあまり変わらず、大学独自の試験が勝負どころでした。

自分が受験した頃と大きく変わったと思うのは、ひとつの大学に入るための受験機会が多様になったことです。推薦、AO入試、センター試験の得点による合否決定などなど、大学が作成するペーパーテスト以外の機会が実にたくさんあります。大学独自のペーパーテストを受ける機会も数回あります。

少子化の影響でしょうか。つまり、入学者を確保すること以外に、受験機会を増やすことで受験料が大学に入るという経営判断ではないかという気がします。

それはさておき、高校生の側からすると、難関大学は別として、以前から定評のある大学に入りやすくなっているのです。大学独自のペーパーテストが行われる本格的な受験シーズンが始まる前に合格者が続々と出ています。「ぜいたくを言わなければどこかに入るだろう」という空気が流れています。そこには、私が経験した、「失敗したらどうしよう」という心臓が飛び出るような緊迫感はありません。

このような実情を身近に見るにつれ、どんぐり倶楽部で高校受験を、努力と工夫を重ねる機会としてとらえている意味の重さがよく分かってきました。また、どんぐり倶楽部では中高一貫校への進学を勧めません。

【中高一貫教育は失敗します】
●「戦い方を教える絶好の機会を失うという意味において」中高一貫教育は失敗します。本当の教育は実態を伴った小中一貫教育にあるからです。
●中高一貫では大事な高校受験が効果的に働かないので止めた方がいいということです。
※利点はありますが欠点が多い場合は、教育の場合はそれだけでダメなんです。
●高校受験は自分の責任で進路を決め、自分の責任でテストを受ける大事で最も効果的な年齢にある試練なんです。
 この時期に自分と立ち向かう機会を奪うことは教育の仕上げを先延ばしして時機を逸する事になりかねないのです。
 15才はそういう時期なんです。あやふやな状態でこの時期を過ぎると一生あやふやな人間になりかねないのです。(どんぐり倶楽部HP「中高一貫教育の危険性」)


中高一貫校に通うと高校受験はありません。中高一貫校の生徒の多くは大学に進学しますが、大学の付属校なら大学受験もありませんし、付属校でなくても大学受験をする時に、一発勝負のペーパーテスト以外のルートで入れば、懸命に努力と工夫をして合格するわけではありません。すると結局、「勝負する」という経験が無いままに社会に出てしまいます。また、一発勝負で入るにしても、私立の学校は少子化で存亡の危機にさらされているので、かなり面倒見が良く、先生の指示通りにやっていれば、その学校がメインターゲットにしている学校に入れる、つまり、自分で入るための対策を考えなくても入ってしまう状況になります。

小学生の時、中学受験をした経験があるじゃないかと反論されるかもしれませんが、小学生では幼すぎます。中学受験をするかどうかは親が決めている場合がほとんどだと思います。受験塾の多くは小3冬から受験のためのカリキュラムを開始しますが、数年先の展望を描くには小3では無理なので、「親に塾に行かされて」受験勉強を始める子どもがほとんどでしょう。そして、受験校の過去問を調べて対策を練るのは本人ではありません。

それに対し中学生なら、目標を定め、それをクリアするためには何が必要かを分析し、実行することが可能です。そして、目標は高い方がいい。学校を選ばなければ、誰でも高校に行けるのが実情なので、初めから目標を低くしてしまうと、努力と工夫を放棄してしまうので。

私はこの点を勘違いしていました。どんぐり倶楽部で「公立ならトップ校を目指すようにする」と言っているのは、トップ校に入ることに価値があるからだと理由もなく思って、腑に落ちない感じがしていました。でも、上に書いた大学受験事情を実際に見るにつれ、トップを目指すのは、そこに目標を設定することによって、本人の中にある覚悟・努力・工夫の可能性を引き出せるからなのだと思います。肝心なのは、この覚悟・努力・工夫をするプロセスで、結果である「最難関の高校に入れたか」ではないと気付き、すっきりしました。

ぎりぎりまでやってみて、無理だと分かれば直前に受験校を変えればいいまでです。公立高校は試験が同じなので、受験校によって対策を変えなくていいからです。それに対して、進学したい私立高校があれば、その学校に合わせて作戦を練ることになります。どちらにしても、受験というのは、目標に到達するためのハードルがはっきりしているという点で、人生勉強になりそうです。「明るい人になりましょう」が目標では、漠然としていてハードルを乗り越える練習にはなりません。

冒頭に引用したように、「努力に成功する」ことに意味があります。

社会に出ると、努力と工夫で戦う場は、人それぞれになります。自分の周囲にいる人が一斉に同じ資格試験を目指すわけではありません。各人がそれぞれの必要を満たしたり、希望をかなえるために、その前に立ちはだかる障害を乗り越えなければなりません。~のためには~することが必要だから~するというふうに。それをしなくても生きていけるかもしれません。でも、いつも障害を避けて通っていると、人生が不完全燃焼している感覚をいだいたままになってしまうでしょう。「一生あやふやな人間になりかねない」とは、そういうことだと思います。

ミントは中高一貫校に通っています。夫も私も塾に行かそうとか、中学受験をさせようとは思っていなかったので、小3の冬から塾で受験の準備をする一般的なケースとは、小学校時代の過ごし方がかなり違っていると思います。でも、受験したくなったのは本人でも、受験対策を考えたのは本人ではないし、高校受験もありません。この事実をよく心に留めて、彼の成長を見守らなくてはならないと思っています。

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コメント

わたしも!

私もハーモニーさんと全く同じように感じていたんですが、
去年、高校受験のことをまとめた時に、

>トップを目指すのは、そこに目標を設定することによって、
>本人の中にある覚悟・努力・工夫の可能性を引き出せるからなのだ

ということに気がつきました。
あ~~同じように思ってはって、うれし~~。

Re: わたしも!

> 私もハーモニーさんと全く同じように感じていたんですが、

「東大脳にするには~」「偏差値××から△△へ」みたいなのと全く違うのがどんぐりなのに、どうしてここだけ?て感じるよね。目標が公立トップ校とは限らないけど、本人にとって高い目標設定をして人格的に成長するためだったんですよね。

> 去年、高校受験のことをまとめた時に、
>
> >トップを目指すのは、そこに目標を設定することによって、
> >本人の中にある覚悟・努力・工夫の可能性を引き出せるからなのだ
>
> ということに気がつきました。

「過程がすべて」「努力に成功すること」は著書などにもよく書いてあるから知っていたけど、「漢字読本」にまで書いてあるのを発見して、考え抜いて教材が作られているんだなあって、私は思いました。

> あ~~同じように思ってはって、うれし~~。

わーい、わーい。私たちってツインソウルか知らん。

こんにちは

先日は関西トークでお会いしていながらお話しする時間がなくて残念でした。またお会いできるのを楽しみにしています。

ブログ村にどんぐり倶楽部のトラコミュを作りました。
http://baby.blogmura.com/tb_entry101812.html

活用してもらえると嬉しいです。

うちの娘の場合は(今のところ)、中学受験が終わると高校受験=宝塚音楽学校受験となるらしいので、これまた親子共に覚悟が…(汗)。

よろしくお願いします。

ハーモニーさんの記事、リンクさせていただきました。よろしくお願いします。

どんぐり倶楽部って、緻密な作戦が満載で、いつまでも抜け出せないしオモシロイですよね。
本当にすごすぎ、先生。。。

ハーモニーさんの記事のおかげで、私、先生の仕掛けを一つ発見したような気がします。

う~ん、ハーモニーさんやしまりすさんのお話も直にお会いして聞かせていただきたいな~♪

Re: こんにちは

> ブログ村にどんぐり倶楽部のトラコミュを作りました。
> http://baby.blogmura.com/tb_entry101812.html

トラコミュってものがあるんですか。何だろう?パソコン音痴なので、ミクシーだのツイッターだの、ぜーんぜんわからないのです。誰かに聞いてみます。

> うちの娘の場合は(今のところ)、中学受験が終わると高校受験=宝塚音楽学校受験となるらしいので、これまた親子共に覚悟が…(汗)。

わお!それは楽しみ。歌ったり、踊ったりのお稽古をしているのでしょうか。

Re: よろしくお願いします。

> ハーモニーさんの記事、リンクさせていただきました。よろしくお願いします。

有り難うございます。

> どんぐり倶楽部って、緻密な作戦が満載で、いつまでも抜け出せないしオモシロイですよね。
> 本当にすごすぎ、先生。。。

漢字読本に「努力に成功すること」を見つけたときは、おお!て思いました。単に学年相当の漢字を入れるだけでなく、その学年の子どもの成長を考えて漢字読本の内容も考えてあるんだなあ感服しました。だからこそ、5年生向け読本が、なかなか完成しないんだと納得しました。

伝えるのが

難しいね。去年、息子に「努力をしないで高校に行ってほしくない」から目標設定を高くするように言ったけれど、本人は「トップ校に行ってほしいんだろ」と思ったみたいです。何回も話して、伝わったかどうか・・・わからないなあ・・・。

ただね、受験、というのは「お勉強」で努力と工夫をすることでしょう。それに興味が向かない子は確かにいるんだ、と息子を見ていて思いました。他のことで努力と工夫をしているのに、母さんはそこは見ないで「勉強」のことばかり言う、と言われました。

子どもの考え方、感じ方、興味の向く方向って本当にそれぞれだから、「受験という機会にせいっぱいの努力と工夫をしてほしい」という親の希望があったとしても、それを押しつけることはしてはいけない、と思ったよ!

自然にそうする子もいるしね(お姉ちゃんはそう)。
子どもって本当にいろいろだから、

子どもをよく見ること、なんだね。


ついか

あ、でもね、うちの子たちはどんぐりで育っていないから。
どんぐりで育ったら、きっと、勉強も他のことと同じような感覚でできるのかな、と思う。学校の勉強しかしらないからね。

ということで、ちょっと的外れただったね。
ごめんなさい。

ちゃこさんへ

私も受験だけじゃないって思ってますよ。

典型的なのはオリンピックの選手。何年もかけて、自分やライバルのフォームを研究して、どうやって最高のパフォーマンスがオリンピックという決められた瞬間に出来るかを考え、実行し、修正し・・・ということをやってますよね。

でも、一般的な中学生のケースだと数年かけて覚悟を決め、目的を達成するために何をすればいいか研究し、実行するという格好の場が高校受験だという事なので、それを人間的な成長のために利用せよということだと思います。

12~15歳という大人の入り口の年齢で、数年かけて覚悟を固めて挑戦することって他になかなか無いからね。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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