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知性と感性、そして臨界期

子どもたちが乳幼児であった頃、私は子育てを、「知性(頭)」の教育と「感性、感受性(心)」の教育とに、無意識に分けて考えていたような気がします。けれども、徐々に「それは違うなあ、両者一体でないとだめだ」という思いが強くなっていきました。理由は自分でも分かりません。子どもの様子を見ているうちにそう感じるようになったのかもしれませんし、どんぐり倶楽部の理論の影響なのかもしれません。けれども、こういう考えは、どんぐり倶楽部の糸山先生や私だけのものではなく、著名な科学者も言っていることだと、最近、知りました。その科学者とは、1987年にノーベル賞を受賞した利根川進先生です。利根川先生の受賞対象は、免疫に関する研究でしたが、先生は、研究対象を免疫から脳科学に変えておられます。以下は、先生の著書「私の脳科学講義」(岩波新書)の第2章 脳科学の現在と可能性 の中の「脳ネットワークの臨界期」という部分からの引用です。

 脳において、知性をあつかっている場所と感性をあつかっている場所は、分かれています。最近の研究によると、知性をあつかう脳の部分を十分に発達させるには、感性を扱う脳の部分とのつながりが重要である、ということがわかってきています。二つの部分にはひじょうに密接な神経繊維のつながりがあり、このつながりを通じて知性と感性が両方発達していかなければ、知性そのものがうまく機能しないということがわかってきたのです。
 このつながりが、ある事故で切れてしまった患者さんがいます。その患者さんはIQテストなどはひじょうに点数が高いのですが、感性が乏しいのです。何がおこっても感激しないし、失敗しても悔しいとも思いません。つまり、社会的に生活しにくい状態になっているわけです。従って、知性と感性の両方を豊かにしていく必要があるのです。(p.64)


しかも先生は、個人的な思いつきであると断りながらも、知性だけではなく、感性にも臨界期があるだろうと述べておられます。

 ここから先は科学的な話ではなく、わたしが脳について考えをめぐらしているときに思いついたことです。・・・日本の現在の教育は、いわゆる知力とか知識だけにひじょうに重きをおいています。・・・そのために、知力以外の能力、たとえば物事に非常に敏感に反応して豊かな感情をしめすといった、感性の分野における刺激が少ないのではないかと思います。私は、こういう感性の能力においても、子どもの頃に臨界期があるのではないかと考えています。小学校の頃から一生懸命試験のことばかり考えて、知的な刺激はどんどん与えるけれども、感性を豊かにする刺激は与えていないのではないか、と危惧しています。(p.63-64)

この文章を読んだときの私の感想は、「やっぱりそうか」です。7月2日の記事に、創造性などにおける感情の重要性について書かれた茂木健一郎先生の本の引用も載せていますので、併せてお読みください。

忘れられない光景があります。娘が幼稚園児か小学校低学年の時、耳鼻科に通っていたときのことです。待合室に男の子とお母さんがいました。男の子は娘と同じくらいの年頃でした。その親子は待合室で、小学校受験の勉強らしいことをしていました。男の子は体調が良くなさそうでした。病気で体がだるい時でも、幼稚園児が勉強しなくてはいけないのか、と驚きました。お母さんにしてみれば、今まで勉強させてきたのに、不合格になって、それが無駄になることがもったいし、子どもも可哀想なのでしょう。その気持ちはわからないでもありません。もし、感性に臨界期があるとしても、その子が臨界期に間に合って感性という機能を始動させたとは思います。でも、お話の記憶とか、わかりやすいけど素っ気ない絵で伝統行事に関する知識を覚える時間があるなら、その代わりに、砂遊びや鬼ごっこをしていたら、もっと感性は豊かになり、もっと生き生きした子ども時代を過ごせるのではないかと思いました。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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