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We Are The Worldにおもう

マイケル・ジャクソンが亡くなりました。表題の歌は世界のトップシンガーが参加して歌った、アフリカの饑餓への関心を高めた有名な曲です。この曲が発表された1980年代は、まだソ連も崩壊しておらず、世界は今とはだいぶ違った風景を呈していましたが、アフリカの饑餓は変わっていません。この問題に大きく影響された人物が、私の身近にいます。夫です。

彼は饑餓をなくすには、世界の食糧生産高を上げればいいと思い、大学の農学部に進み、バイオ関連の研究者になりました。(今は環境関連技術を専門にしていますが)私は彼の将来がちょっと心配です。「研究者の使命感」が強いからです。「自分は冷房をがんがんかけた(=エネルギーを大量消費している)部屋で研究している、成果を出さねば」という気持ちが強いのです。それは悪いことではありません。勿論立派なことだと思います。でも、使命感が生き甲斐になっているところが心配なのです。

ここ数日、利根川進先生の著書を引用するので、私は利根川先生ファンだと思っている人がいるかも知れませんが、実は違います。「私の脳科学講義」(岩波新書)の中の対談で、


利根川 私は、(脳科学に精神や心に関わる哲学などの文化系学問が)忍び寄ってくるとは思いません。逆に、宗教とか哲学が対象にしてきた色々な概念とか問題は、脳科学がもっと進めば、説明が付いていくだろうと思っています。・・・DNAレベル、細胞レベル、細胞の小集団レベルというふうに展開していく現象のヒエラルキーの総体がわかってきたら、嗜好・情感などという心の現象も、物質的に説明できるようになると思いますね。(雑誌「イリューム」編集長、藤田剛氏との対談p.147-148)


利根川 これからは、脳科学の研究成果が、いわゆる哲学上のいろいろな問題に影響を与えていくと思いますね。
池田 ということは、文学とか哲学は、学問的にいずれ脳科学に吸収されてしまう可能性があるというわけですね。
利根川 私は、そのように言っているんだけれど、賛成してくれない人もいますね。(池田理代子氏との対談、p.168)


と言っておられます。脳科学が哲学などに多大な影響を及ぼすだろう、いいえ、既に及ぼしているだろうと思います。それも、脳科学だけでなく、他の理系学問もです。けれども、影響を受けた結果、ある問題に関して哲学ではこう考えるようになった、それを脳科学的に説明すると、神経が云々、脳内物質が云々と言われても、それが生きていく上での精神的な糧になるとは思えないのです。自分の頭の中の現象に関する知識が精神的な支えになるのでしょうか。評価が曖昧だと言われようと、主観的だと言われようと、やはり、人生そのものに対する解釈は、最後まで必要とされると思うのです。

利根川先生は、年齢的に、視力が衰えているので、実験は難しいけれども、どう科学研究を進めるかという大局観が重要なので、そこで自分は科学者として役割を果たしているとおっしゃっています。でも、もっと年齢を重ねるとどうでしょうか?今果たしている役割を果たせない年齢になったときに、何を支えに生きていくのでしょうか。ここが、私が夫を心配している点なのです。夫がとても衰えて、科学者としてどんな役割も果たせなくなったとき、科学者としての使命感に生きてきた彼は、どういう気持ちで毎日を過ごすのだろうかと。ここに、理系学問の影響を受けつつも、それに吸収されていない哲学とか、人生観といった文系的なものの出番があると思うのです。

なお饑餓に関する私の考えは、夫とは少々違っています。私は饑餓はかなり政治的・社会的側面が強い問題だと思います。ウクライナは穀倉地帯ですが、1930年代に大飢饉となりました。生産された穀物が輸出にまわってしまったからです。生産性の良い作物が出来ても、その種は大種苗会社が握っています。また、豊作になれば、食べるだけならいいでしょうが、世界的に穀物価格が下落して、農民はあまり豊かにはなりません。ですから、足りない食べ物はたくさん作ればいいでは解決にならないと思っています。
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Author:ハーモニー108
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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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