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カントの指折り算

どんぐり倶楽部では、小学生が足し算・引き算を習い始めたら、指を使って計算することを勧めています。理由は、


 よく「数量感覚」を身に付けるために~。という手法の記述を見かけます。ところが、その方法は<量>の方はいいのですが、<数>の方は見当違いの場合が殆どです。(中略)
<数>は見ても、触っても体感できません。ですから、感覚は身に付かないのです。(中略)
見る→量(形の一部として)
触る→圧(凹凸や温度→質感)
ですから、<見る><触る>では数を直接的には感じられないのです。(どんぐり倶楽部HP、時々日記、2009年3月3日)



7月11日の記事に、子どもを育てるのに共感が大事だと思うと書きましたが、ここで言う共感は、一緒に悲しむ、一緒に笑うと言ったレベルより、もっと広い意味での共感です。

例えば、お母さんが「クッキーが一つ、二つ、三つ・・・」と数えて、おぼろげながら、子どもは「かず」というものを知る。ところが、次の瞬間には、お母さんは「もう、いくつ寝るとお正月」と歌う。それで、子どもは「かずとは何か」について混乱してしまうかも知れません。私が言うのは、そういう子どもの感覚を分かってあげる、感じ取ってあげる、そのことも含めての「共感」なのです。

哲学者カントの著書に「純粋理性批判」という著書があります。実は私は、この著書を読み通したこともないどころか、カントの思想すらよく分かっていません。共通一次試験(現在のセンター試験)で、倫理社会を選択したので、名前と著書名を知っているだけです。高校のカントの授業の内容で唯一覚えているのは、カントは大変規則的な生活をして、決まった時間に散歩に行くので、カントの家の近くの人は彼を見て時計を合わせた、ということだけです。そういう、浅い理解しかないことをご承知おいて、誤りかも知れない以下の文章をお読みください。岩波文庫版の訳を使っています。

ごく最近知ったことですが、「純粋理性批判」の緒言に、7+5=12を例に考察している部分があります。


 七と五との和の概念は、二つの数を一つの数に結合したということ以外なにものをも含まぬ、それによって二つの数を総括するところのこの単一なる数のなんたるかはまったく思惟せられていないことがわかる。
 十二という概念は、私が単に七と五との結合を思惟しただけですでに思惟せられているものでは決してない



7とか5といった「かず」は抽象概念です。しかも、感じることが出来ない抽象概念です。そして+はその前後を合わせる記号です。抽象的な言葉を二つ合体させても、12という抽象概念は出てきません。それなら、どうすれば12が出てくるのか。カントは以下のようにすればいいと言っています。


 例えば五本の指ないし(ゼクネルがその算術においていうごとく)五つの点といったようなものの助けをかりて、直感において与えられた五の単位を順次に七の概念へ付け加えることによって

 私はまず七という数をとる。そして五という概念のかわりに直感としての手の指の助けをかりて、五という数を構成するためにあらかじめ集めた単位を今や指の心象によって次第に七という数に付け加える、かくして十二という数は発現する


とのことです。小学校1年生で「かず」という、「これがかずです」と指さすことが出来ないものが出てくる事は、子どもにとって大変な難関だと思います。学校の先生は、初めは具体物で教えてくれます。でも、すぐに式の計算になります。表に1+1などの問題が、裏に答えが書いてある計算カードの束が登場します。これをくり返しめくって計算するわけです。ここで、最初に先生が具体物で教えてくれて、わかりかけていたかもしれない、実感しかけていたかも知れない抽象概念が吹っ飛んで、どの数字とどの数字の組み合わせの足し算はどの数字になるか、という暗記になってしまいます。遠回りに見えても、具体的にやっていればそうならなかったのに。

ところで、先のカントの引用で、ゼグネルという人が点を使った話が出てきます。では、なにも指でやらなくても、点などの記号でやればいいでしょうか。

○○○○○+○○○○○○○=○○○○○○○○○○○○

これは5+7=12です。でも、一目で分かるとは言い難いです。そこで書き方を工夫して、

○○○○○+○○○○○/○○=○○○○○/○○○○○/○○

このように、5の塊を意識して書くと少しわかりやすくなります。なぜなら片手の指が5本だからですよね。しかも、答えの12は手の指では足りません。ですから、手の指を折って計算していると、答えが10になると、これ以上折る指が手には無くなってしまい、「困っちゃう」のです。そうすると、「困っちゃう」という気持ちと10進法、繰り上がりが結びつきます。指を10本全部使うと、それ以上計算が出来ない、だから指10本セットを別にメモしておこう、となるのが自然でしょう。

どんぐり倶楽部では「体感計算」とも言っていますが、この「お困り感」を感じることも含めての体感なのではと、つらつら考えてみました。

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娘7歳
アイロンビーズ、ミサンガ(どちらもお馴染みですね。一時、友達の間でミサンガがはやっていました)
石けん粘土:以前書いた泡クリームを作るとき、水を少なめにすると、石けんの粘土ができます。着色するといっそう楽しいです。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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