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感情教育(人間らしさを育てるために)

どんぐり倶楽部の理論の大きな特徴は、「考える力」と「心の発育」を一体にしてとらえている点だと思います。素人の私には、一般的には、「考える力」を学校の先生や教育学研究者が担当し、「心の発育」を児童精神科医などが担当し、棲み分けているように見えます。例えば、我が子が学校の勉強についていけないと、ベテランの学校の先生が書いた本を読み、非行に走ると精神科医やカウンセラーの著書に答えを求めるという具合に。

どんぐり倶楽部には「教育の優先順位表」というものがあり、どの年齢で何を育てるべきかが示されています。「社会的な事を抜きに考え」、生物学的な側面で見ると、人間は子孫を残せるようになる年齢、すなわち親になりうる最低年齢が、だいたい12歳なので、この頃までに頭も心も一応出来上がるようになっている。では、12歳にどんな人間に成長しているべきなのかと、優先順位表を見ると、

人間的な判断力を含む思考力の完成

と書いてあります。これだけでは、何の事やら分かりません。そこで、「思考の臨界期」を見ると、「人間の条件」(pp.209~212)という箇所があります。

人間の条件とは 人間らしい判断を下すことが出来る能力を含めた思考力をもっていることです。この力は、12才までの感情教育が大きく影響します。理論的な結論には訓練すれば誰でも素早く到達できます。ですが、その理論的な結論を実行に移していいかどうかの最終判断は感情が支配しているからです。(中略)「ルールだから何をやってもいい」という基準の中には自分が何もありません。そこには確かな感情がないからです。確かな感情を育てて貰っていない子は感情以外の基準で動こうとします。その時に、貧弱な理論を持ち出されると感情がない場合には従うほか無くなってしまいます。

「判断」という言葉から連想されるのは、普通は「情」より「知」だと思います。けれども、「人間らしい判断」を下すには「情」が欠かせないというのです。前回の記事に、「なぜ人を殺してはいけないか」を基本的な問いの一つとして挙げました。この問いに対する答えは、

「いい、いけないという区別は不可能である(いけないことなどない)」→「するかしないか(だけである)」(どんぐり倶楽部HP 過去ログ 2006.10.12)

「いい・いけない」という区別は出来ない。ここを初めて読んだ時は、少なからず衝撃を受けました。けれども、よくよく考えてみると、いつの時代もどこででも通用する「人を殺してはいけない」普遍的な理論、「知」を駆使した説明はありません。ある人は宗教によって説明するでしょう。でも、世界中の人がその宗教の信者ではありません。はっきりした宗教は持っていないという人が多いのが日本です。死刑の扱いも国によって様々です。どんな場合でも命を絶つべきではないとする国もあれば、犯罪抑止力という理由で死刑を廃止しない国もあります。ですから、犯罪抑止力という理由に普遍性はありません。死刑という判決を出す基準も様々です。また、時代によっては決闘がありましたし、ある部族のメンバーが別の部族のメンバーに殺されれば、部族を挙げて復讐しに行くのが正しいとされた所もありました。

でも、普遍的な理由など無いので、無条件に許容してしまえば、社会は大混乱です。カマキリの雌は雄を食べますが、人間の社会はカマキリの社会よりはるかに複雑なので、色々な理由で殺人が起こってしまいます。借金を返さないから、恋人をとられたから、会社を乗っ取られたから、すれ違いざまに嫌な表情をしたから・・・きりがありません。「いい・いけない」の線引きが不可能だからこそ、「いい・いけない」という知的判断ではなく、やることに非常に心理的抵抗を感じて、つまり「情」の力が行動を制御して「できない」ように育てなければならない、ということになります。これが「人間的な判断力」ということでしょう。私だって、我が子を殺されれば、犯人を殺したくなるに違いないのですが、それくらいの異常事態でなければ、殺意すら抱かないと思います。

12歳の時点でのあるべき姿を、単に思考力・考える力ではなく、人間的な判断力を含む思考力を備えた人間とすると、それ以前の年齢でやるべきではない事が見えてきます。「情」「感情」を殺すことです。例えば、「頭が良くなるから」どんぐり倶楽部の算数文章題を機関銃のようにやってしまうようなこと。映画を早送りで見て、感動しないけど、あらすじが分かったでは駄目なのと同じようなものです。考える力が無いのも困りますが、考える力は優れていて、冷淡なのも恐ろしいことです。どんぐり倶楽部が次第に知られるようになってきたのは喜ばしいのですが、冷徹なだけの人間が増殖しないように、算数文章題をいかにやるべきかも、文章題とセットで知られるようになって欲しいと思います。

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封筒作り:定型サイズの封筒の展開図を用意しておくと、包装紙など色々な紙で作れて実用的でもあります。

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コメント

記事を掲載させていただきました

トルコ語ブログに、本記事を翻訳し、12月19日付で掲載させていただきました。多少の省略部分があります。うまくニュアンスが伝わるといいのですが。ありがとうございました。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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