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言葉を味わう、体験を味わう

どんぐり倶楽部の理論の説明は熟語が多くて難しいという声があります。おそらく短い単語で多くの意味を盛ろうとすると、表意文字である漢字を使わざるを得ないので、熟語が多くなるのだと思います。「感味力」という言葉もその一つでしょう。「味わう力のことです」などと説明されて、益々分からなくなってしまう人も多いかと思います。

私は小学校時代を横浜で過ごしました。冬になると時々雪が積もりました。雪国ではないので毎日ではありませんから、とても楽しみでした。雪が積もっている日の朝というのは、独特の静けさがあって、カーテンを開けて外を見なくても、「あっ、今日は雪が積もってるかも」と布団の中で思ったものです。見なくても雪の日だと分かる、この静けさを寝ながら味わうのが好きでした。

夫は理系の研究所に勤めているのですが、ここに半年程の期限で、海外から若い研究者の卵がやって来ます。最近は東南アジアから来る人が多いです。半年の期限だと、日本で冬を過ごさない人が多いし、過ごしたとしても雪が積もるとは限りません。ですから、彼らに「雪がしんしんと降る」の「しんしんと」とはどういう意味かを、言葉を尽くして説明しても分からないだろうと思います。実際に雪がしんしんと降っているときに、「こういう感じを雪がしんしんと降るというのだよ」と言って、黙って一緒に、しんしんと降る雪を眺める、つまり「しんしんと」という言葉を味わわなければ(実感しなければ)、本当の意味で分かったことにはならないでしょう。そして、この体験がなければ、その東南アジアから来た研究者が日本語を学んでも、「しんしんと」という言葉は使いこなせないでしょう。

12才までの学習の基本は
「すること(できること)」ではなく
「味わうこと(わかること)」です。
(中略)
言葉を味わう
あるいは、
体験と深く結びつける
生きた言葉にする
応用の利く言葉を育てる
ためには時間が必要なのです。
(中略)
言葉を味わう時間を与えなければ
どんなに多くの言葉を
知っていていようとも
何の意味もないのです。(どんぐり倶楽部「思考の臨界期」pp.357~361)


例えば、上の段に、「しんしんと」「さんさんと」「ざあざあと」と書いてあり、下の段に「雨が降る」「太陽が照る」「雪が降る」と書いてあって、関係が深い物同士を線で結びましょう、といった類の問題は、いかにも無味乾燥としています。それは、言葉を味わったかどうかという個人的体験、回答者各人の感受性が上記の言葉と出会ったかどうかを点検する行為だからでしょう。

学生時代、夏休みに中央アジアを旅行したことがあります。イランやアフガニスタンの北にある、トルクメニスタン、ウズベキスタンなどの国々です。遺跡や歴史的建造物を巡るツアーでした。このあたりは乾燥地帯で、乾いた土地や草原が続いていて、その中にポツポツと目的地が点在しています。ですから、一つの目的地から別の目的地へ行くのには、飛行機に乗るか、バスを何時間もぶっとばします。早朝からバスに乗り込んで、延々と続く草原を眺める爽快さ。40度以上の猛暑の中、クーラーの無いさびれたレストランで、たかってくるハエを片手で追い払いながらかぶりついたスイカの美味しかったこと。「美味しい」などという陳腐な言葉では表現しきれません。遺跡や歴史的建造物より、こういった体験の方が、はるかに強烈に心に残っています。

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コメント

○ギリシャのアオ

○ギリシャのアオ...おもいだしちゃった。いってきま~す。

レオンくんへ

レオンくん、きてくれてありがとう。
レオンくんにとってのアオは、ギリシャのうみとそらなんだね。

ゆきのふるひはね、そらをみあげて、ゆきがまいおりてくるのをみるとおもしろいよ。ふゆになって、ゆきがふったら、やってみてね。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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