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「思考力の養成」だけでいいですか?

我が子が生き馬の目を抜くような社会で食いっぱぐれないように、思考力を、考える力を、難解な問題を解決する能力をつけてほしいと考える人は多いでしょう。でも、どんぐり倶楽部の考え方では、思考力だけでは足りないのです。目指すところは、

人間的な判断力をそなえること

「人間的な判断力」とは、行動する際の「最終的な」判断の基準として、法律、周りの人がやっているからという理由、頭だけで純粋に理論的に考えた結果などを使うのではなく、自分の心に問うて判断できる力ということ。

純粋に理論的に考えた結果「だけ」では駄目。判断に心が欠如しているので。思考力だけではなく、豊かな感情教育が必要になる。心が最後の砦(とりで)。だから、その心・感性・感じ方が異常では、「人間的な判断」はできません。それなのに、今の子どもを取り巻く環境には、早期知的教育、受験を目指した10歳前からの大量の勉強・暗記、感情を殺さなければ出来ない多量の単純作業的勉強、機械相手のバーチャルなゲーム、俗悪なテレビ番組があふれています。人間本来の感性がすくすく育つ環境とは、とうてい言えません。

人間的な判断が出来る心に既に育っている大人になっているなら、ゲームや俗悪なテレビ番組の害も小さいでしょう。でも、大人になっている自分を基準に、同じ物を子どもに与えてしまうのは大きな誤りです。自分が大丈夫だから、子どもにも大丈夫とは言えません。大人と子どもでは同じ虐待を受けてもダメージが違うことは認めても、こういう事には気付かないか、見て見ぬふりをする大人が多いのは悲しいことです。

高校から大学にかけて、文豪の長編小説をよく読んでいた時期がありました。その中で、ドストエフスキー「罪と罰」のラストに感動した事を覚えています。主人公の貧乏学生ラスコーリニコフが、非凡な人間は悪人を殺しても良いという考えから、高利貸しを殺害し、最後はシベリアで強制労働をすることになる、というのが「罪と罰」のあらすじです。長いロシア人の名前に戸惑い、筋を見失いながらも、強引に読みきりました。初めからシベリアの場面の前までは非常に暗いのですが、シベリアの場面に来ると、一転して美しい風景、ラスコーリニコフに寄り添う清らかな心の持ち主ソーニャの愛情が描かれ、平和で安らかになります。

ラスコーリニコフは学生ですからインテリです。「罪と罰」はソ連誕生につながるロシア革命の前に書かれています。この時代(19世紀後半)の学生なら、現在の学生よりずっと知的な人といえるでしょう。そして、革命前というのは思想的に混乱するものです。「何が善か」が混乱する時期には、法律は守るべき事なのかが疑問視され、常識的な善も疑われるので、インテリは頭で色々考えるでしょう。そして理詰めで考えた結果、「非凡な人間は悪人を殺しても良い」という結論が出てしまう。これを実行に移すかどうかの最終的判断をくだすのが、心・感情です。頭しか働かないと、こんな結論でも実行してしまうのです。でも、それは人間的とは言えない。ラスコーリニコフは、最後まで「頭では」自分の罪がよく分かっていないようでした。でも、それは心で分かるべき事なのです。そして、その心を取り戻していくであろう希望が、平和で美しいラストに感じられるのです。

「頭の良い子に」を追い求めすぎて、心が置き去りにされていないでしょうか。思考力は勿論大切です。これがなければ、解決策が考えられず、やけっぱちになって短絡的な行動につながりかねません。でも、「頭が良い」だけでも失敗です。頭が良ければ、多くの人を泣かせても、法律を犯さずに、その網の目をすり抜けて、莫大な利益をあげることが出来るかも知れません。その方法が分かっても、実行に移すかどうかを決めるのは心です。実行するのに違和感を感じる、心理的抵抗があって出来ない、思考力とともに、そういう心も育てるのが、「人間的な判断力」を育てるということだと思います。

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1995年早生まれの男の子(ミント)、1997年生まれの女の子(パセリ)の母親です。主として、目からウロコが落ちるステキな子育て・学力養成の理論&実践方法を提供しているどんぐり倶楽部について書いています。

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